G.1 Migrate Agentユーティリティの要件

ソースワークロードとネットワーク環境がMigrate Agentユーティリティを使用するための次の要件を満たしていることを確認します。

G.1.1 Migrate Agentに対してサポートされているマイグレーション

  • Migrate Agentは、ライブマイグレーションでのみサポートされています。

  • Migrate Agentは、自動マイグレーションでサポートされています。Migrate ClientまたはMigrate Webインタフェースを使用して、マイグレーションを実行できます。

  • Migrate Agentは、半自動(X2P)マイグレーションでの使用はサポートされていません。

G.1.2 Migrate Agentの展開要件

Migrate Agentをワークロードの登録およびマイグレーションに使用する場合、マイグレーション環境が次の要件を満たしていることを確認します。

  • PlateSpin Migrate Serverホスト、レプリケーションネットワーク、およびターゲットマシンに対するパブリックIPアドレスが必要です。一部の展開シナリオでは、ソースマシンに対するパブリックIPアドレスも必要です。

    • ワークロードがMigrate ServerのパブリックIPアドレスに到達できることを確認します。

      [PlateSpinConfiguration]ページで、AlternateServerAddressパラメータをMigrate ServerのパブリックIPアドレスに設定します。クラウドマーケットプレースから展開したMigrate Serverの場合は、MigrateがこのパラメータにパブリックIPアドレスを自動で追加します。詳細については、「セクション 5.7, PlateSpin Serverの代替IPアドレスの設定」を参照してください。

    • ワークロードのマイグレーションを設定するときに、レプリケーションネットワークに対するパブリックIPアドレスを有効にします。

    • マイグレーション時にMigrateがターゲットマシンのパブリックIPアドレスを自動設定します。

  • 登録とマイグレーションのネットワーク要件については、次の情報を参照してください。

    メモ:さまざまなマイグレーションコンポーネント間のポートや情報の流れを理解するには、マイグレーションターゲットに基づく展開図を参照してください。詳細については、「セクション III, マイグレーション環境の準備」を参照してください。

  • ソースワークロードが次のポートのアウトバウンドトラフィックをサポートするように設定します。

    • HTTPSポート(TCP/443)

    • レプリケーションポート(TCP/3725がデフォルトです)

      レプリケーションポートは設定可能です。PlateSpinの[環境設定]ページでFileTransferPortパラメータを変更した場合は、それに対応するファイアウォール設定も変更する必要があります。

  • ソースワークロードでMigrate Agentを使用すると、ソースワークロードはデータ転送のためにターゲットワークロードに接続します。Migrate Serverでレプリケーションポート方向を再設定する必要があります。

    [PlateSpinConfiguration]ページでSourceListensForConnectionパラメータをTrueからFalseに変更します。 クラウドマーケットプレースから展開したMigrate Serverの場合、このパラメータはデフォルトでFalseに設定されます。詳細については、「セクション 5.9, レプリケーションポートの接続方向の設定」を参照してください。

  • クラウドベースのMigrate Serverの場合、サーバはデフォルトで、その親クラウド環境と一致するターゲットタイプへのマイグレーション用に設定されます。ソースワークロードが、別のターゲットへのマイグレーションに対応している親クラウド環境内にある場合、ServerIsHostedInCloudパラメータのデフォルト値を削除して(フィールドを空にして)、[ターゲットの追加]ダイアログですべてのターゲットタイプが使用できるようにする必要があります。

G.1.3 Migrate Agentユーティリティの使用要件

  • ソフトウェアの前提条件

    Linux用のMigrate Agentユーティリティでは、ソースマシンにGNU Cライブラリ(glibc) 2.11.3以降がインストールされている必要があります。

  • 再起動

    ブロックベースの転送ドライバをインストール、アンインストール、アップグレードする際には、ソースWindowsワークロードの再起動が必要です。ソースLinuxワークロードでは再起動は不要です。

    Windowsワークロードでは常に再起動が必要ですが、Migrate Agentユーティリティを使用すると、操作を実行するタイミングを柔軟に制御できるため、サーバが再起動されるタイミングも柔軟に制御できます。たとえば、このユーティリティを使用して、最初のレプリケーション時ではなくスケジュールされたダウンタイム時にドライバをインストールできます。

  • 資格情報

    • Windowsワークロードの場合、Migrate Agentユーティリティでは、コマンドを実行するためにAdministrator権限が必要です。

    • Linuxワークロードの場合、Migrate Agentユーティリティでは、コマンドを実行するためにrootレベルのアクセス権が必要です。非rootユーザアカウントは、sudoコマンドの使用を許可されている必要があります。つまり、そのユーザ名は、権限を持つユーザとして/etc/sudoers環境設定ファイルに記載されている必要があります。ルート以外のアカウントの使用については、ナレッジベースの記事7920711を参照してください。

      メモ:Amazon Web ServicesのソースLinuxワークロードの場合、AMIテンプレートは、sudoに対して有効な、デフォルトの非rootシステムユーザアカウントを自動的に作成します。このアカウントのユーザ名は、AMIプロバイダによって異なります。Amazon Linuxイメージの場合、ほとんどのLinuxディストリビューションで非rootユーザ名はec2-userになります。CentOS AMIの場合はcentosになります。詳細については、AMIプロバイダのドキュメントを参照してください。

      AWSでは、非rootユーザは、sudo -iコマンドを実行してrootシェルにアクセスしてから、Migrate Agentコマンドを実行する必要があります。各Migrate Agentユーティリティコマンドで「sudo」と入力すると、一部のソースワークロードでエラーが発生することがあります。