G.3 Linux用のMigrate Agentユーティリティ

G.3.1 ソースLinuxワークロードへのMigrate Agentのダウンロードおよびインストール

Linux用のMigrate Agentユーティリティをインストールする前に、ソースマシンにGNU Cライブラリ(glibc) 2.11.3以降がインストールされていることを確認します。

ソースLinuxマシン用の適切なアーキテクチャを持つアプリケーションをダウンロードしてください。ファイル名では大文字と小文字が区別されます。

  • 64ビット: MigrateAgent-x86_64.tar.gz

  • 32ビット: MigrateAgent-x86.tar.gz

ソースワークロードにLinux用のMigrate Agentユーティリティをダウンロードしてインストールするには:

  1. ソースLinuxワークロードにrootユーザとしてログインします。

  2. MigrateAgent-arch.tar.gzファイルを取得するには、次のいずれかの方法を使用します。

    archを適切なアーキテクチャ(x86_64またはx86)で置き換えます。

    • Webインタフェースからzipファイルをダウンロードします。

      1. Webブラウザで、PlateSpin Migrate Webインタフェースを起動してログインします。

        https://<Your_PlateSpin_Server >/Migrate

        Your_PlateSpin_ServerをPlateSpin MigrateサーバのDNS名またはIPアドレスで置き換えます。

      2. ダウンロードタブをクリックします。

      3. 適切なLinuxプラットフォーム(x86_64またはx86)用のMigrate Agentアプリケーションリンクをクリックして、MigrateAgent-arch.tar.gzファイルを保存します。

      -または-

    • wgetコマンドを使用して、PlateSpin Serverからファイルをコピーします。

      メモ:PlateSpin Serverホスト上のオペレーティングシステムでTLS 1.2接続のみが許可されている場合は、wgetバージョン1.16.1以上をソースLinuxワークロードで使用します。

      1. 端末を起動し、次のように入力します。

        wget --no-check-certificate --http-user=<username> --http-password=<password> https://<Your_PlateSpin_Server>/Migrate/Downloads/MigrateAgent-<arch>.tar.gpz 

        Your_PlateSpin_ServerをPlateSpin MigrateサーバのDNS名またはIPアドレスで置き換えます。archx86_64またはx86で置き換えます。

  3. アーカイブマネージャでMigrateAgent-arch.tar.gzファイルを開き、MigrateAgentディレクトリとその内容をrootディレクトリ(/)に抽出します。

    あるいは、シェルプロンプトで次のように入力します。

    tar xvf MigrateAgent-<arch>.tar.gz

    archx86_64またはx86で置き換えます。

  4. ディレクトリを/MigrateAgentディレクトリに変更し、その内容をリストします。端末で、次のコマンドを入力します。

    cd MigrateAgent
    ls

    このディレクトリには、commandsファイルとMigrateAgentスクリプトファイルが含まれています。

  5. 次のコマンドを入力してコマンドヘルプを表示します。

    ./MigrateAgent -h

G.3.2 Linux用のMigrate Agentコマンド

Migrate Agentユーティリティを実行するための構文は次のとおりです。

./MigrateAgent [Command] [-h]

表 G-2では、Linux上でMigrateAgentコマンドで使用できるオプションと引数について説明します。

表 G-2 Linux用のMigrate Agentユーティリティのコマンドオプションと引数

使用率

説明

コマンド

register <server> <user> [[-p password] | [-pf <password-file-path>]]

serverには、PlateSpin MigrateサーバのDNS名またはIPアドレスを指定します。

userには、ワークロードを追加する権限を持つ管理者レベルユーザの有効なPlateSpin Serverユーザ名を指定します。

パスワードでは、次のいずれかの操作を実行します。

  • -pオプションを使用して、指定したPlateSpinユーザ名用のコマンドでパスワードを入力します。

    -p mypassword

  • -pfオプションを使用して、指定したPlateSpinユーザ名用のパスワードを含むファイルへのパスを指定します。

    -pf /tmp/jsmith-password-file.txt

  • コマンドでパスワードを指定しません。コマンドラインでパスワードの入力を求められます。

例:

./MigrateAgent register 10.10.10.101 jsmith -p jspwd 

指定されたサーバでワークロードとしてこのマシンを登録します。また、指定されたPlateSpin Serverでのドライバのアップグレードの有無を確認します。

検出できないワークロードを追加することができます。登録されたワークロードは、検出されたワークロードと以下の点で異なります。

  • 登録されたソースワークロードでは、ソースの資格情報を保存しません。

  • Migrate Agentを使用して、登録されたソースワークロードからLinux blkwatchドライバをインストール、アップグレード、および削除する必要があります。

  • 登録されたソースワークロードのコントラクトを削除した後、手動でワークロードからOFXコントローラを削除する必要があります。詳細については、セクション 42.2.2, Linuxワークロードのクリーンアップを参照してください。

status [<server>]

serverには、PlateSpin MigrateサーバのDNS名またはIPアドレスを指定します。

PlateSpinのコントローラとドライバのインストールステータスを表示します。

PlateSpin Serverを指定する場合、サーバからドライバアップグレードが確認されます。

driver-install [<server>]

serverには、PlateSpin MigrateサーバのDNS名またはIPアドレスを指定します。

適切なPlateSpin blkwatchドライバをインストールします。

PlateSpin Serverを指定する場合、サーバからドライバアップグレードが確認されます。

driver-upgrade [<server>]

serverには、PlateSpin MigrateサーバのDNS名またはIPアドレスを指定します。

インストールされているPlateSpin blkwatchドライバをアップグレードします。

PlateSpin Serverを指定する場合、サーバからドライバアップグレードが確認されます。

driver-uninstall

インストールされているPlateSpin blkwatchドライバを、ソースLinuxワークロードからアンインストールします。

configure <server> <new-server>

serverには、PlateSpin MigrateサーバのDNS名またはIPアドレスを指定します。

new-serverには、PlateSpin Migrateサーバの新しいDNS名またはIPアドレスを指定します。

例:

./MigrateAgent configure 10.10.10.10 10.10.20.20

OFXコントローラ(ofxcontroller)サービスを停止し、新しいアドレスを使用してOFXコントローラ環境設定ファイルを変更し、サービスを再起動します。PlateSpin ServerのパブリックIPアドレスを変更する場合は、サーバに対して設定されているそれぞれのソースワークロードでこのコマンドを実行する必要があります。

コマンドオプション

サーバ

PlateSpin MigrateサーバのDNS名またはIPアドレスを指定します。

statusdriver-install、またはdriver-upgradeの各オプションの呼び出し時に、指定されたサーバからblkwatchドライバをダウンロードします。

ユーザ

ワークロードを追加する権利を持つ管理者レベルのユーザのPlateSpin Serverユーザ名を指定します。

オプション

-h--help

このコマンドの使用方法とオプションを表示します。

-p、--password

-p <user_password>

PlateSpin Serverユーザ名のパスワードを指定します。

コマンドラインでパスワードを指定しないと、スクリプトによりパスワードが要求されます。パスワードを入力する際は文字列が隠され、プロセスリストには表示されません。

このオプションをpasswordfileオプションと組み合わせないでください。

-pf、--passwordfile

-pf <passwordfile_path>

指定されたPlateSpin Serverユーザ名のパスワードを含むファイルへのパスを指定します。

このオプションをpasswordオプションと組み合わせないでください。

ログ

logging.json

Migrate Agentユーティリティのアクションを記録するためにJSON形式でログ記録設定を格納します。

ログ記録設定を表示するには、catコマンドを使用します。

cat MigrateAgent/logging.json

テキストエディタでファイルを編集できます。"level:"値を"DEBUG"から"INFO"または"ERROR"に変更することによってログ記録のレベルを設定します。次に例を示します。

"level": "DEBUG"

または

"level": "INFO"

または

"level": "ERROR"

ログ記録されたメッセージは、デフォルトではMigrateAgentディレクトリのMigrateAgent.logファイルに書き込まれます。ログファイル名の設定は、logging.jsonファイルで変更できます。

MigrateAgent.log

MigrateAgentコマンドに関するログ記録されたメッセージを格納します。ログを表示するには、catコマンドを使用します。

cat MigrateAgent.log